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「神仏のなみだ」(桜井識子)を読んでみた感想

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はじめに

 職場でずいぶんと渋い本読んでるじゃんと言われました。最近マイブームが神社巡りでどうせなら神様のことも勉強してみよう!と思い立った次第であります笑 桜井識子さんの本を読むのは2冊目です。Amazonでもかなりの好評価でしたので買ってみました。スピリチュアル部門に入る本ではありますが、個人的には日本の文化や歴史の勉強になりました。

 

 

 

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月代(さかやき)とは?

桜井識子さんが中国地方の神様参りに行ったときに遭遇した、お侍の神様の髪型が月代だったことから、、、月代(さかやき)?なんだそれは?とググるとあのよく見る昔の侍の頭の真ん中だけ剃ってある髪型、あれを月代(さかやき)というそうだ。古い文献だと太平記(鎌倉~室町時代)くらいまで遡るらしい。地味になんであんなダサい髪型(って言ったら昔の武人に失礼ですけど)にしてたのか、とこれも調べたら兜を付けるとき、髪があると頭が痒くなったりする理由で剃ってたとか。さらにグロいことにカミソリ的なものが昔はなかったため木製の毛抜きで髪の毛を引っこ抜いていたとか…当然血まみれになるし、炎症は起こるしで当時は大変だったらしい、、、グロいグロい( ; ゚Д゚)

 

昔の人の身分制度について

桜井識子さんが、今の日本は皆上下関係なしの平等な日本人であるが、昔は士農工商の時代で身分が決まっていたわけで、その辺昔の人はどう思っていたのか?と神様に尋ねていたが、どうやら昔の人は自分の生まれの身分については素直に受け入れていたらしい。それはもう悟りのレベルで。また読み書きすら出来ない人が多い時代でもあり、自分は賢くないとそれはそれで受け入れていたとか。たしかに学校制度が整ってきたのも明治あたりだったわけだし、現在の日本の識字率は世界から見ても圧倒的なわけでこの今の当たり前が昔はそうでもなかったと思うと感慨深いものがある。

 

 

昔の人はどんな祈願が一番多かったのか?

 今なんかは、健康・家内安全、学問仕事、結婚恋愛なんかが多いイメージがありますが、、どうやら治癒祈願が一番多かったらしいです。些細な怪我、虫歯、おできなど。どうしても昔の印象で強いのが飢饉なので豊作関連が多かったのかなーと思ったのですが予想とはずれました。歴史的に見ても日本で医学が発展したのって江戸時代の杉田玄白らがオランダなどヨーロッパから学んだものが基礎になってるわけだから、まあまあ納得。

 

 

勧請(かんじょう)とは?

 また知らぬ単語が出てきました。意味は、神仏の分霊を他の場所に移しまつること。宇佐神宮から分霊を迎えて石清水八幡宮をまつったことなどはその例。(Weblio辞典)ここで分霊のことか!と納得。そもそも分霊も聞き慣れない言葉で、自分はハリーポッターでヴォルデモート卿の分霊箱の話しで初めて聞きました。本書ではA神社→B神社→C神社と勧請した、、、とややこしい感じで出てきました。自分が最近知ったのだと、伊勢神宮繋がりで東京の東京大神宮の神様が伊勢神宮から派遣されているとかですかね。

 

眷属(けんぞく)とは? 

桜井識子さんが祈祷して神様を呼び出すと、よく神様+眷属が見えるらしい。そもそも眷属(けんぞく)って何?ってなるわけだが、まあ神様の子分みたいな感じという印象でいいのかなと。具体的に言うと、狐、蛇、鳩、鴉、鹿などの見た目が多く使者、神使とも言うとか。眷属とかアニメや漫画でしか聞いたことがなかったので驚き。

 

神社の落書き

桜井識子さんが訪れた福島の神社の1つで落書きを発見し、そのことを神様に聞いてみた話がありましたが、神様が言うに「したいようにさせておく、ただし加護はやらぬ。」だそうです。かなりの罰当たりな行為であるが、そもそも神様が人間に罰を与えることはないそうだ。加護はやらぬというのは具体的に、ご縁や災難回避、智慧、指標など助けてくれなくなるそうで。

 

神様の数え方=なぜ1柱(はしら)というのか?

またしても素朴な疑問。普通に考えてみるとたしかに神様って人でも物でもないし神様の単位ってなんだ?と。基本的には「柱」(はしら)で良いみたい。ただなぜ柱と呼ぶのかの直接的な理由は分からなかったが、御神木があるように昔は山、森、木と自然に神様が宿っていると考えられていたらしく、その名残りで柱と呼ぶようになったのが有力らしい。また面白いことに「1座」とも数えることがあるそうで、理由が山の頂上には神様が居る、坐るということからだそうで。現在の山の数え方も、一座、一山、一峰、一岳と。日本語って奥深いですよね。じゃあ川や雲なんかは??と更に疑問が湧いてきますがとりあえずこの辺にしときます。

 

 

 東北大震災の津波発生時、神様達は何をしていたのか?

あの津波で流されなかった神社を結ぶと良い感じに津波到達ラインが完成するとか。桜井識子さんはそこから気になって当時のことや今のお気持ちを知りたくて福島県の神社まで赴いて話しを聞きに行ったそうです。「神も仏もいない…」と誰しもあの惨劇を見れば思うはずだが、やはり福島県の神様たちは一人でも多くの一を救うために尽力されてたみたいです。ただ、桜井識子さんが訪れた神社の神様なんですが、どの神様もうずくまったり、小さくなったり、少し透明になりかけだったりと、どの神様もまともに話すことも出来ないくらいの疲労困憊な様子だったみたいです。中には神様がいない神社もあったそうです。。。

 

どのように救っていたのか?

人の魂に呼びかけると。具体的にOOへ逃げろ!や救助隊に発見されるようにしたりと。しかし当時はパニック状態の人が多く神様の声が届かないことが多かったみたいですが。さらに力のある山の神様や海の神様は直接津波の力を弱めようとしていたらしい。ただそうはいっても神様の力よりも、地震・津波=地球・天体の力の方が圧倒的に強いわけで。津波の高さを何メートルか減らすかんじ。

 

なぜ、そこまでして人間を救うのか?

桜井識子が疑問を抱いていましたが、自分も同感ですね。そんな身を削ってまで頑張る理由が分からないし、そこまでの価値が人間にあるとも思えない…。最初にこの質問をした神様は、「川に流されている子犬や子猫を見かけたらなんとかして助けようとするだろ?それと同じだ。」とおしゃっていたみたいです。これで腑に落ちない桜井識子はさらに別の神様にも同じ質問をしたみたいです。その回答が「神様になると”自分”がなくなる」からだそうで。”自分”がある人間ってのは夢、欲求、願望がありそれを満足させるために行動するわけだが、神様にはそれがない。だから身を挺してまで人を救えるそうだ。また、エネルギーを温存しておこうと考えた神は一柱もいない。と断言していました。かなりの哲学チックな話しであるが、この神様さいごに「神なればわかる」と。なかなか味をしめてます笑

 

疲弊した神様に人間が出来ることはあるのか?

残念ながら何もないというのが神様の回答だそうで。当然ながら参拝に来てくてた人々についても、顔や名前はずっと覚えていてあげられるが願望を聞き届けることまではしばらくできそうにないとか。回復までの期間も尋ねていたが、10年、20年、30年とそれぞれ違うらしい。また不思議なことに龍神系の神様は回復がとても早いようでもうピンピンしているとか。

 

小さくなった神様から、夏目友人帳(1期)の露神の祠の話しを思い出しました。

夏目友人帳は人間と妖怪の話しが基本ですが、中には神様を扱った話しもあります。その一つが「露神の祠」。昔は人間サイズくらいの大きさの神様だが、年々参拝しに来てくれる人も減り、信仰不足で今では一寸法師くらいのサイズにまでなってしまった話し。桜井識子も言っていたが、神様が神格を上げるためには人間からの信仰が必要不可欠だそうで。また東北の震災で力を発揮できた神様の、その力の源は先祖代々その土地の人々の厚い信仰心があったからだそうです。

 

 

さいごに

 桜井識子さんとキリストの対話の感想も書いてみたかったのですが、この時点で3千字とかなってるので別記事で書きたいと思います。この本で一番インパクトがあったのでやはり東北震災時の神様たちのお話しですね。泣けるという感想をよく見かけましたが奮闘していた神様たちと神様の現状を見ればたしかにその通りだと思います。よく神社はその土地の人々を守っているという話しを聞きますが、その意味もよく分かりました。神様に対して感謝の気持ちを大事にしていこうと改めて思いました。

 

 

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